いっぺん死んでみる?~スケベの季節~

「えっと。
 風邪を引いているクセに、旅行に行った挙句。
 インフルエンザにかかって、死にかけるなんて。
 わたしは、相当に莫迦、だと思うけど……?」

 そう。

 晴香だって、怒ってるのだ。

 いつも、最低三日にいっぺんくらいは。

 一緒に食事に行ったりするほど、らぶらぶだったのに。

 今週は、まるまる一週間連絡が取れなくて、心配していたら。

 病院から直接、守が重体なのですぐ来るように……と連絡が来たのだ。

 それに、泣きそうに驚いて。

 取るものもとりあえず、守のいる重症用の個室の病室に飛び込んだら。

 案外元気そうな守が、晴香に向かってピースサインを送ったのを見て、晴香は思わずキレた。

 彼女に心配をかけているからこそ、守は、自分が大丈夫ってところを見せるつもりだったのに。

 それが伝わらないところが、少しばかり悲しい。

 いつになく、ぷんぷん怒っている晴香に、守は上目遣いで言った。




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