いっぺん死んでみる?~スケベの季節~
「うん、もう!
 そんな甘えた口調で言ったって、許さないんだから~~
 今回は本当にびっくりして!
 驚いて!
 悲しかったんだから~~!」

 本当の、本気で心配してくれたらしい。

 今でも、ちょっと泣きそうな顔のまま。

 そんなことを言う晴香が、愛しくて。

 守は、嬉しそうに笑って言った。

「心配かけて、悪かったよ~~
 大好きな晴香ちゃん」

 だけども、へらへらしている守の態度に晴香の方は、気が収まらなかった。

「笑い事じゃないったら!
 もし、今度こんな風に心配をかけたら、わたし、別れてやる!」

 別れる、なんて。

 半分本気に聞こえる晴香の言葉に。

 さすがの守も負けずにふん、と鼻を鳴らした。

「別れる!?
 そんな意地悪言うならいいもん!
 晴香に見捨てられたら、僕は死んじゃうからねっ!
 そしたら、僕のベッドから、晴香の名前がたくさん書かれノートが出て来て。
 それをダイイング・メッセージだと思った警察が。
 もしかしたら、密室殺人かもって疑うかもしれないよ?
 そんなことになったら。
 晴香のところに警察が来て迷惑じゃない?」

「あなた、本当に、莫迦ね?」

 そんな、子供っぽい守の言い種に、晴香は大げさにため息をついた。

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