いっぺん死んでみる?~スケベの季節~
 もしかしたら。

 答えによっては、守と別れることになりかねない質問に。

 晴香も真面目な顔で考えた。

 もしこれから、守と上手く行って『官僚の妻』になれたら。

 セレブの仲間入りが出来るかもしれない。

 だから。

 守の性格が多少まずくても。

 実は、合わないな、と思ったとしても。

 お金の匂いに誘われて、守の欠点なんて簡単に我慢が出来るだろう。

 けれども。

 官僚の給料よりも、明らかに年収が低いだろう職業に守がついた場合。

 自分は、彼について行けるだろうか?

 晴香は、思わず。

 今まで見慣れたはずの、守の顔を、改めて見た。

 平均よりも、少しはマシな顔。

 中肉中背だけど、最近は、出てきたお腹。

 大学までの学校の成績は、誰にも負けないほどに良かったけれど。

 生活能力は皆無で。

 一人暮らしをしているにも関わらず、缶詰め一つ開けられない。

 普段、仕事だけはきちんと出来るはずなのに。

 寂しがり屋で、ロマンチストの本当の姿を晴香にだけ、みせる。

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