いっぺん死んでみる?~スケベの季節~
 晴香がなんて言うのか、とても不安らしく。

 守は、親に置いていかれた子供みたいに、半分泣きそうにも見えた。

 そんな守に、晴香は、肩をすくめた。

「……別にあなたが、高給取りの官僚じゃなくても、付き合ってあげるわよ」

「本当!?」

 なんだか、急に嬉しそうな守に、晴香は、ため息をついた。

「だって、わたしと別れたら、死んじゃうんでしょ?」

「うん!」

「不器用で、今のお仕事以外、とてもまともに出来るとは思えないけれど!
 だから、心配でほっとけないじゃない」

 晴香の言葉を聞いて、守はとびきりの笑顔を見せた。

「やったぁ。
 やっぱり僕、晴香ちゃん、大好き」

 言って、素早くベッドから抜け出した守は。

 晴香を抱きしめ、そのまま口づけた。

「きゃあ!
 な、な、な、何すんのよ!」

 突然のことに、恥ずかしくて真っ赤になる晴香に、守は笑った。

「だって、そんなに可愛いこと言ってくれたら、キスしたくなったんだもん」

「ば……莫迦ね!」

 わたしは、ただ、守が、可哀想だと思うから付き合ってあげるだけよ!

 なんて、晴香は言ったのに。

 守は、更に口づける。


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