ストロベリーケイク
 「百花ちゃん 何?この後デート?」

 松本さんがカップを洗いながら話しかけてきた。

 「はい、でも彼氏何時に仕事終わるかハッキリしてなくて・・」
 「じゃあ待ってる間暇だね~。徳川とでも遊んでたら?」

 今までカップを見ながら話かけてきたのに、急に目を見て話してきた。
別に好きとかじゃないが、ドキッとした。

 「結構すぐ来ると思うんで大丈夫だと思いますよ。」

 なんか面倒だし・・・。しかも何して遊べばいいか判らないしね。



 気付けばもう17時になった。

 「百花ちゃん、あがりな~。」

 松本さんが声をかけてくれた。
松本さんの代わりにカップやらお皿やら洗っていたあたしは、泡のついた食器を水で流し、あがる事にした。手を洗い、側にあったタオルで拭く。

 「お疲れ様でした。」

 中に居たスタッフや松本さんに声をかける。

 「おい、徳川もあがれよ。」

 徳川くんは、オーダーを聞き終え丁度カウンターへ戻ってきていた。
 「はい。ありがとうございます。じゃぁ、オーダーいいッスか?えっとー、カフェラテホットと黒糖チャイホットでお願いします~。」

 そう言うと、オーダーの伝票をカウンターに置きあたしのところに来た。

 「百花さん、あがりッスよね?着替えたらチョット外で待ってて下さいよ。」

 ニコニコしながら話しかけてきた。・・・可愛らしい顔して。

 「あ、判った。」

 思わずそう答えた。

 「じゃお疲れさまです~。」
 「はい、お疲れ~。」

 2人でみんなに挨拶をして、あたしと徳川くんはそれぞれロッカーに向かった。
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