ストロベリーケイク
 タイムカードを押しロッカーに着き、着替えたあたしは携帯をチェックした。
 どうやらタカシはまだ終わってないようだ。メールはきてなかった。

 友達からメールがきていた。
 専門の友達だ。
 『課題終わった?あたしまだなんだけど、全然出来てない!!デザインがいいの浮かばないんだよね。もうサイアク!このままじゃ遊びに行けないよ!』

 あたしも課題をやらなくちゃいけないから、タカシが来るまでやってようかと思った。
 『あたしもまだなんだ。でも彼氏と会う予定だから何処かで課題やろうと思う。大変だけどがんばろーね!』

 友達にメールを返した。

 タカシにもバイト終わった事をメールしなくては。

 『まだ仕事かな?あたしはバイト終わったよ。タカシから連絡来るまで課題でもして待ってるよ!』

 メールを送り、取れていたグロスを付け直してロッカーの鍵を閉めた。
 徳川くんが外に居ると思うから急いで向かった。





 外に出ると徳川くんが待っていた。
 あたしが歩く、ヒールのカツカツと言う音に気付いた徳川くんは、嬉しそうにあたしの顔を見た。

 「百花さん!!」
 あどけない顔をしていた。

 「お疲れ~。」
 徳川くんを見たあたしは、手を振って近づいた。

 「彼氏さんから連絡ありました?」
 「まだかな。仕事終わるまで課題しながら待ってるよ。」
 スケッチブックを見せながら答えた。

 「連絡来るまでオレも一緒に居ていいッスか?あっ、課題やっててください。オレ横で見てますから。」

 それじゃ集中できない・・・。

 「いやいや、一緒に居たら出来ないでしょうよ!また今度にしようよ。駅まで送るよ。」
 「送らなくていいですよ!」
 「だって時間はあるし、駅から家まで歩いても大した時間かからないからいいよ。」
 「・・じゃとりあえず駅まで御願いします~。」

 

 
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