君の世界の壊し方
どくんどくんと心臓の音が体中に響く。
今日は一体何。なんなの…!?
「おかえり、ウサギ」
「ひっ!」
さっきとは違う方向から声がした。紳士みたいな、声。
「おかえり、シロウサギさん」
「おかえりなさい、ウサギ」
「シロウサギ、おかえり」
「ウサギ!おかえんなさい!」
子供の声、大人の声、老人の声。
たくさんの声が四方八方からした。
シロウサギ…?
シロウサギって、何?
「クスッ…」
笑い、声
他の声とは違う、
甘く、大人の女の人の声がした。
声のした方をじっとみつめる。
……白い影が少しずつ近づいてくる。
「ふふ。皆だめよお。
シロウサギさんが怖がってるじゃない、静かにして?」
女の人がそう言ったとたんに、あたりから人の気配がなくなった。