君の世界の壊し方

涙がポロポロ溢れてきて、恐怖という二文字が心の底にしみついた。

私、死ぬの?死んでしまうの?


「大丈夫よ。泣かないで、涙を拭いて。」

拭いても拭いても涙は溢れだして止まらなかった。

女の人の顔はぼやけていてあまり見えないが、お母さんみたいに優しい笑顔だった。

―――お母さん…
お姉ちゃん、お父さん…。


私はシロウサギ。
姉妹のお姉ちゃんは大丈夫なの?


「おね……っヒック、お姉ちゃんは…だ、大丈夫、なの…?」

涙を流しながら
女の人に問う。


「大丈夫よ、世界にシロウサギはたった1人。シロウサギは1人しかいちゃだめな…………」


ピタリと、女の人の動きが止まる。


「………………!?」

私の涙も止まった。


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