君の世界の壊し方


「あ、の…………」

呼び掛けてみるが返事がない。
ただの屍でもなさそう。




ガコンッ!



突然機械音がして、女の人は、また動きだした。


にっこりして
会った時の様にふふ、と声を漏らす。



「ふふ、大丈夫よお、
ここに行きなさい。アリスがあまり行動しない昼間に行けば平気よお?ここに行ったら安全にアリスを捕まえられるわあ。」
そう言って地図のかいた
メモ帳をわたされる。

「は、い……」

また冷めた表情。
さっきのお母さんみたいな表情とはうって違って、雪女みたいに戻ってしまった…。


「あの、きいてもいいですか…?」


「なあに?」


「アリスを捕まえたら…
私はどうなるんですか…?」


「四代目に移り変わるだけよお?あなたはシロウサギでなくなって、普通の生活に戻るわあ。
捕まえた時、アリスに命令しとけば人も襲わなくなるしい。」


「そっか…ありがとうございます!」



「じゃあ、いってらっしゃい。」


女の人は私の頭に触れ、目を閉じた。



「あ、最後にもうひとつ…」

「なにかしらあ?」

「お名前は…?」


女の人は、
ふふ、と微笑んで、
答えた








「ただの女王よ」
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