君の世界の壊し方
玄関をガチャ、とわざと大きく音をたてて「いってきます」と呟く。
両親は共働きで、お母さんは帰ってきたばかりで寝てるので
多きな声で「いってきます」なんて言ったら
心配性のお母さんの事だ、
フラフラしながら
「どうしたの!?」なんて言いかねない。
玄関のドアノブの音は
トイレのドアノブに似てるから別にいいけど。
「はう、行ってらっしゃい」
おせんべいを口にくわえながら、上半身だけ廊下にだして言うお姉ちゃん。
バタンと小さめにドアを閉め、空を見上げる。
綺麗な星空で、しかも満月。
明るさは十分だ。
なるべく明るい道を通りながら、コンビニへ足を進めていった。