君の世界の壊し方
ザクッ ザクッ
「………………」
ピタッととまる。
さっきと同じ場所。
ザクッ ザクッ
「まだやってるの…?」
そんなに刻む必要があるだろうか。
―――気になる。
そんな、すごく気になる!
と言う訳ではないけど、
このまま家に帰っても布団の中で悩んでしまいそうだ。
「ちょっとくらい覗いても大丈夫だよね…」
音のする方に近づく。
ビルとビルの隙間。
なんだか油くさい。
狭い路地裏に足を進めて行っても、真っ暗。
おかしい。
ちょっとくらい明かりがあってもいいのに、こんなに真っ暗な中作業するとは思えない。
ザクッ ザクッ
音は、生々しく、歩を進める度に少しずつ大きくなっていった――