恋愛トライアングル
ほんと、空気みたいなやつ。
掴めたと思ったらすぐ離れてって……真っ正面からぶつかってこようとしなくて。
ちょっぴり寂しかったりした。
私は今にも溢れそうな涙を必死に押さえ、思い出の公園へと向かった。
公園へ向かう途中、一台の車が横を通り過ぎた。…が、特に気にも留めなかったが。
拓ん家の車だと気付いた時にはもう遅かった。
もう車はずいぶんと先にいた。
あーあ……やっぱ、泣きそう。
私はくるりとUターンし、明菜の家へ向かった。
私がしっかりしないでどうする!という気持ちを胸にして。
桜が舞い散る並木道をいつもの数倍軽やかな気持ちで歩けた。
何でかな、今すんごいスッキリしてる!!
さっきまで泣きそうだったのに。