【完】アップルパイ。~天国ノ君へ~
ケータイのボタンを押す音だけが部屋に響く
「あ…い…っと」
あたしは自分で打ったメールを読み直した
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こんばんわ。
今日は寒い中待っていただいてありがとうございます。
家、決まってよかったですね。
家のことで何かあったらまたいらしてください
いつでも相談にのります。
電話番号は090-XXX-XXXです。
愛
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そしてあたしは「送信」というボタンを押した
「これでよしっ!」
あたしはベッドの上にドサッと飛び込んだ
「愛ー!お風呂に早く入りなさーい!」
下から母さんの声が聞こえた
「はーーい!」
あたしはそういいながら階段を降りた
お風呂に入ろうとすると心愛が後ろから飛びついた
「ママーー!」
心愛はこの前ゲームセンターで取ったウサギのぬいぐるみを抱えている
「どうしたの?心愛?」
あたしはそう聞いた