【完】アップルパイ。~天国ノ君へ~
「その人とこの先どうなろう…とか思ってんのか」
父さんも遠回しないい方するなー…
「…“どうなろう”ってどういう事?」
あたしはあえて(?)イジワルをした
「結婚とか…だよ」
「…子供にはやっぱり父親って必要なのかな」
あたしは小さな声で呟いた
「え?何だって?」
あたしの小さな声は父さん達には聞こえなかったらしい
「…今のところは何も考えてないよ」
あたしは“今のところ”を強調して言った
「愛ちゃん、あなたはまだ拓海さんの事好きなの?」
今まで何も口にしなかった母さんが真剣な目つきであたしに言った
「好きだよ。すごく好き。でもそれは恋ではないよ」
あたしは笑顔で言った
「ママー!来て来てー!!」
階段から心愛の声が聞こえた
「今いくよー!父さん、母さんあたしの事は心配しないで」
あたしはそう言い心愛の元へと向かった