【完】アップルパイ。~天国ノ君へ~
あたしは自分の娘の目の前で涙を流すのが情けなかった
心愛は拓海に似てとても優しい子だから。
きっととても心配しているのだろう。
それでも涙は止まらなかった
あたしの涙は自分の服をぬらしていくだけだった
「ママーだいじょうぶ?」
心愛はあたしの涙に手をあてた
「ゴメンね。こんなママで…」
「どうして?ここあママすきだよ」
心愛はあたしに笑顔を見せた
「いーこ、いーこね」
そういいながらあたしの頭を撫でる心愛
「ありがとう心愛」
「えへへっ」
恥ずかしそうに笑う心愛がものすごく愛しかった
「じゃあいこうか。きっと桜お姉ちゃんもいるよ」
「うん!」
あたし達はカランコロンとい音と共に店内へ向かった