【完】アップルパイ。~天国ノ君へ~
「…え?ど…ういう事?愛…22歳だよね?」
祐樹の顔を直視できないあたしは顔を伏せた
「うん…16の時に出来た子供で…今は5歳なんだ」
祐樹の顔が気になるのに顔を上げられない
「え…と旦那さん…は?」
明らかに動揺している祐樹の声
「…死んだの。あたしが17のときに病気…で」
「そっか。頑張ったね」
祐樹はあたしの頭を撫でた
…目から涙が落ちる
あたしの涙は地面に向かって流れ続けた
しばらく沈黙が続く
お願い祐樹。
何か言って…
「愛オレの顔を見て」
あたしは黙って顔を上げた
「話はそれだけ?」
祐樹はあたしの目をジッと見ながら優しく笑った
…違う。
あたしは…
祐樹に「好き」って伝えにきたんだ