【完】アップルパイ。~天国ノ君へ~
青空へ
「この家にこうして挨拶をしにきた男は2人目だな」
父さんはお茶を机の上にゆっくり置いた
あたしと祐樹は父さんの前に座った
祐樹は一歩後ろに下がり正座をし、床に手をつき深々と頭を下げた
「僕は愛さんとお付き合いさせていただいている祐樹といいます。子供の事も拓海さんの事も聞きました。それでも僕は愛さんと一緒にいたいんです。」
「祐樹…」
「愛さんは僕が必ず幸せにします。だから愛さんを僕にください!」
「祐樹君…だったかな。顔を上げてくれ」
祐樹はそっと頭をあげた
「…愛は17で子供を産んで旦那も死んで…色々苦労したと思う」
父さんは静かに話し始めた
「…僕もそう思います」
「でも心愛を産んでくれたことには感謝してる。
「可愛い孫ですものね」
母さんはふふっと笑いながら言った
「本当に可愛いですもんね」
「あぁ。拓海君似でな」
「ぶはっ!」
何もそこまで言わなくても!
しかも祐樹めっちゃ笑われてるし
「…父さん!母さん!祐樹!!」
あたしは少し怒った口調で言った