あおいほし
川を渡り、小さな林を抜け、15分ぐらいでその丘に着いた。
そこから見える風景はいつもとは違っていた。
丘のまた少し遠くに、あの黒い塔が家で見た時より随分大きくそびえ立って見えていた。
横幅は1つの山ぐらいあるんじゃないか。
高さは雲より高い。
地面に食い込む様にして、その形態を支えていた。
そしてその黒い塔から、黒く動く物がでてきて、周りの景色を見ていた。
いや、この場合散策、と言った方がいいかもしれない。
その黒い生物の動きを、ただ僕は、遠くからぼーっと立ちすくめながら眺めていた。
そのうち、黒い生物は僕に気付いたのか、3匹程こちらに向かってきた。
僕はただ眺めていた。