あおいほし



僕は夢を見ていた。


それはいつか本で見た"街"で、母さんと二人で暮らす夢だった。



人が溢れていた。

希望も夢も溢れていた。




僕と母さんは幸せだった。











けれどもある日、母さんが死んでしまった。

僕が悲しくて泣いていると、その涙で海ができて、街の人達はみんな船に乗って、どこかへ行ってしまった。



置いていかないで、
そう頼んだ。

泣いて頼んだ。







でも街のみんなは言った。

「お前はダメだ。」








どうして…?




母さんが死んだから?

僕が泣いたから?

僕は要らない子なの?








だんだん見えなくなる船に、僕はずっと泣き叫んでいた。




一人にしないで………と







< 13 / 19 >

この作品をシェア

pagetop