アナタハシニマシタ2
三分経っても何もおきない。さすがに分からない修は質問する。




「メールは送れましたけど、何を待ってるんですか?」



「簡単だよ。こういう類のメールはすぐにメールアドレスを変えられてしまうけど、たまに忘れる奴がいるんだ。電話会社にこのアドレスを使っている人物を特定させる」



本当に抜け目がない。いや出来ることをやっている。そんな感じがした。



「問題は、人物を特定させるには時間がかかる。絶対数が多いからな。調べるのに骨が折れそうだ…」



木村が大きな溜め息をついて自分の携帯を操作する。



「まあ、結果の方はあまり気にしないでくれ。こっちの手掛かりが見付かる頃には向こうが馬脚を見せると思う」




――あくまでもこっちが本命か。




それは仕方ない。どのみち先が分からなければ意味のないことだ。なら自分で結果を出した方が自然と全容が見えるかもしれない。




「気を付けて行くんだぞ。もしこのメールの言う『妨害』が本当なら、かなりきついことを仕掛けるかもしれない」
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