アナタハシニマシタ2
「沙良さん。どっしり構えるのです。私のライバルなら岸野さんの一人や二人説得して貰わなきゃ」




愛理は発破をかけたつもりだが、あまり効果がなそうだ。




「大丈夫。二人で協力すれば必ず岸野さんを連れ戻せる。彼女だって人間だ。心配してくれる人間がいれば心を開いてくれるさ」




修が言うと沙良は花開いたような笑顔を見せる。先程の反応とは全く違った。




「私、頑張ってみます。駄目で元々ですものね!」




「そうそう!その意気だ!」




笑顔の二人を愛理は寂しそうにじっと見ていた。まるで自分には縁遠い物を見るかのように。


< 26 / 32 >

この作品をシェア

pagetop