アナタハシニマシタ2
ひょんなことに意外な同行者が出来たものだと、修は苦笑いをした。松本愛理。少しだけ不器用な少女――それが修がみた愛理の印象だ。



説得に参加してくれる人間は多ければ多いほど効果は上がる。揺れ動く心をものに出来るかが大事な所だ。



優次が帰ってくるのは明日の夜。そして出発は明後日の昼前、軽井沢には昼過ぎには着く予定でいる。




そこから明日香がいる別荘を探し当てて、説得。早ければ即日で解決だ。後は木村に彼女の身を引き渡して完了だ。




これが一応の段取りだ。大事な説得はまったく考えていない。これだけは考えるだけ無駄。そう思ってる。




考えが一段落すると腹の虫が合唱した。すぐに夕飯の準備を始める。




夕飯はチャーハンだ。残ったご飯を適度にほぐし、刻んだ具を熱した鍋へ。なじんだ所で溶き卵をご飯へかけて混ぜてから鍋に入れる。これが自己流のやり方だ。これで卵の味が飯に入る。



手早く鍋を振るってパラパラになったら皿に盛って完成だ。
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