どくんどくん ~SPRING SNOW~
「きれいだね、ここがハルの部屋か~。」

部屋をウロウロしてるユキを、後ろから抱きしめたくなる。



我慢我慢・・・


静まれ・・・。



「この写真ちょうだい。かっこいい~~!!」

ユキは部屋に貼ってあったサッカーしてる中学の頃の僕の写真を指差す。

「いいよ、別に。そんなんで良かったら・・」

もう、僕面白い事も何も言えない。


僕は、ユキに幸せをあげたい。


僕との時間がユキにとって幸せであるように、僕はユキのヒーローでなくちゃいけない。

でも、今日の僕は頭がパンクしそう・・。

「ハルの部屋っていいね。オシャレだね。このソファ座っていい?」

こういう時、女の子の方が一枚上手だって思う。

緊張なんてしてないんじゃないか、と思うほどリラックスしているように見える。
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