どくんどくん ~SPRING SNOW~
桜の花びらが舞い落ちる中、ずっと話していたいと思った。

「前に、ハルのどこが好きかって話してたの覚えてる?あの時ちゃんと言えなかったから、今聞いてくれる?」

もう辺りは夕暮れ。

シートに教科書を置いて、その上に座る僕ら。


高台にあるこの公園は、町が見渡せる。


「聞くよ。朝まででもね。」

「まず・・・ハルって僕って言うでしょ?それも好き。オレって言いそうなタイプなのに、なんかかわいい。私のこと、よくポンってしてくれる。よしよし、とか。ああいうの小さい頃からしてほしかった。」

僕は、ユキの髪を撫でる。

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