どくんどくん ~SPRING SNOW~
桜の花が僕らを見てる。

僕らの淡い約束を、ちゃんと聞いてくれてる。

ユキ、約束だよ。

ずっと、僕の隣にいて・・・。



ユキの家までの10分くらいの道のりは、穏やかで幸せな時間だった。

「最近、家の方はどう?」

「少しましになった。怒鳴ったりするけど、あんまり暴れなくなったよ。」

「そっか・・・でも、やっぱつらいな。ユキの心ん中いっぱい悩みがある。」

「大丈夫!今は、ハルがいるから。」

「僕、約束する。お酒は飲まないよ。」

「その気持ちだけで十分だよ。あ~、私達もうすぐひとつになれるんだね。」

すんごい笑顔で大胆なこと言うユキが、僕はとても愛しい。


ひとつになれる・・・か。


「今、想像してたでしょ?エッチなハル!」

僕らは離れるのが寂しくて、ゆっくりゆっくり歩いた。

ユキの家の近くに来たとき、ものすごい物音がした。



「ガッシャーーーーン!!!!」


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