どくんどくん ~SPRING SNOW~
ガラスが割れるような大きな音に、僕は・・・まさか、と思った。


ユキは悲しそうな目で自分の家を見ていた。


「多分、今の音は、うちだと思う。ごめんね、いやな思いさせちゃって。」

「いいよ!そんなの!それより、なにがあったんだ・・すごい音だった・・。」

「平気!多分お皿とか投げたんじゃないかな。」

「平気じゃないよ。普通の家じゃ大問題だよ。僕、今からあの家にユキを帰すなんてできないよ!」

ユキの手を強く握った。



「でも、私が帰らないとお母さん泣いてたらかわいそうだし。大丈夫だって。」


「でも、、僕悔しいよ。こんなに近くにいるのに何も出来ないなんて。」


「夜、寝る前に電話するから。大丈夫だって!ハルは、私との初体験のことでも考えてて!」



そう言い残し、ユキは走って家に入っていった。

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