どくんどくん ~SPRING SNOW~
「ははは。適度か・・。そんな調節ができないのが人間なんだ。毎日でも会うたびにそういう気分になっちゃうのが愛し合う2人・・・。」

「じゃあどうすりゃいいの?」

「ま、好きなようにやんな。今俺の言ったこと頭に入れながらな。ちゃんとユキちゃんの小さな気持ちの変化をわかってやるんだぞ。でも、案外女の子の方がHだったりするからな~!」

「う~ん。ユキから誘ってくれたらいいんだけど・・。でも、僕やっぱ我慢できないだろうな。」

「男だもんな。そりゃ仕方ねーな。俺も、昔苦い経験があってさ。仕事で全然会えない時期が続いて、やっと休みが取れたから、つい『ホテルでもいこっか』って言ったら泣かれた。」

「なんで?」

「そう思うだろ?そこが男と女の違いなんだ。俺は、別にただやりたいっていうんじゃなくて、ホテルでのんびりしながら話をして、ついでにHもしようみたいな考えだったわけよ。」

「それは嘘っぽいな。まず、Hでしょ。」

「そんなことねーよ。とにかくゆっくり会いたかっただけ。でも、彼女にしてみれば、ずっと寂しい想いをしてきてやっと会えるのに、ホテル?みたいな。それは違うんだけど、言葉にちゃんとしてないと伝わらない。そう思われても当然だな。」

「じゃあ、そういう時なんて言えば正解?」



水野さんの話本当に奥が深い・・・。


「正解ってのはないけど、もしも俺が『久しぶりだし、ドライブしてゆっくり話したい』って言ってたら彼女は喜んだだろうな。結局は、Hするんだけど。」

「へ~。なるほど。忙しくて会えなかった時期だから彼女もストレスたまってたんだね。」


「そうそう。女ってのは男と違う生き物だから。感情で生きてるから、ささいな一言でも泣いちゃったりするんだからな。俺の場合、フォローがうまかったから、その彼女とはもうすぐ結婚するんだけどな。」

「え~!その彼女って今の水野さんの婚約者?すごいね。いろいろあるんだね。」

水野さんと出会えてよかった。

恥ずかしくて言えないけど。


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