どくんどくん ~SPRING SNOW~
「ハルが私を知ったのは芸術の時間?」

「うん。自画像の時間。ユキもだろ?僕を知ったのは、絵の下手な奴だって。」

「ふふふ。教えない。」

「教えろよ~!教えないとキスするぞ~!」

冗談だとわかってくれるように言ったつもりだったけど、ユキの目は真剣だった。

「・・・いいよ。ハルなら・・。」


夕焼けがオレンジ色に輝いていた。

風で木の葉の音が心地いい。



僕は、そっとユキの唇にキスをした。



触れるか触れないかくらいの、チュって。



僕らは赤面し、沈黙が続いた。



「僕、ユキのことが好きだ。」


そう言って、もう一度キスをした。


今度は10秒くらい、長いキスをした。


僕は貧血かと思うくらいクラクラして倒れそうになった。




言えた。

好きだと言えた。

生まれて初めての告白を終えた僕は、昨日より自分の事が好きになっていた。

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