どくんどくん ~SPRING SNOW~
それから、ユキの家の近くまで自転車で送った。

その間にユキが教えてくれた。

実は、入学式の日から僕を知ってたと。

間違えて隣のクラスに入ろうとして先生に笑われていた僕を、見ていたらしい。

それから、僕が昼休みにサッカーしてる姿を見ていたらしい。

そして、放課後こっそり僕の机に小さく「HARU」って彫ったと教えてくれた。


気付かなかった。


そんな視線が僕に向いていたなんて。






ユキに、好きだと言ってキスをした。

ユキも僕をずっと好きだったと言ってくれた。

僕の人生の『ラッキー』を全部使ってしまったのではないかと、思う。


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