どくんどくん ~SPRING SNOW~
教室の中で、そこだけが輝いて見えた。
窓から差し込む光が、そこにだけ集まっているかのように光っていたんだ。
僕の目に飛び込んできた人。
古びた教室の中が、急にカラフルな部屋へと変化していく。
こうして、僕は生まれて初めての『初恋』を知った。
今まで、好きってどういうことなのかわかっていなかった自分に気付いた。
これが恋だ、これが好きって気持ちだと誰にも教えられなくても理解することができた。
まだまだ暑い9月半ば。
隣のクラスの「はる」さんとの接点は、週に一度の芸術の時間だけ、という過酷な状況の僕の初恋のスタートだった。
あの運命ので出会いから一週間。
僕の頭の中は大忙しだった。
彼女の名前はまだわからない。
「はるこ」なのか「はるみ」なのか。
友達に告げることもできない今の僕には、彼女の情報を知る術がない。
今日の芸術の授業がチャンスだ、と昨夜から意気込んでいたせいで今朝から胃が痛む。
彼女の席は、僕の斜め2つ前。
後姿でも、僕は彼女を見分けることができるのは、あの美しい髪のせいだろうか。
少しだけ茶色い髪でサラサラストレート。
天使の輪が見える程の手入れされた髪。
まるで雪のような白いきめ細かい肌。
笑うとえくぼができることも、僕は知っている。
外見的な彼女の情報は、僕の見える限り完璧に記憶している。
しかし、彼女の声や彼女の字、彼女の香り・・は僕の想像でしかない。
外見以外で、僕の知る情報は、絵がうまいということだけ。
そして、あだ名が僕と同じ「はる」・・
彼女の情報はそれだけ。
窓から差し込む光が、そこにだけ集まっているかのように光っていたんだ。
僕の目に飛び込んできた人。
古びた教室の中が、急にカラフルな部屋へと変化していく。
こうして、僕は生まれて初めての『初恋』を知った。
今まで、好きってどういうことなのかわかっていなかった自分に気付いた。
これが恋だ、これが好きって気持ちだと誰にも教えられなくても理解することができた。
まだまだ暑い9月半ば。
隣のクラスの「はる」さんとの接点は、週に一度の芸術の時間だけ、という過酷な状況の僕の初恋のスタートだった。
あの運命ので出会いから一週間。
僕の頭の中は大忙しだった。
彼女の名前はまだわからない。
「はるこ」なのか「はるみ」なのか。
友達に告げることもできない今の僕には、彼女の情報を知る術がない。
今日の芸術の授業がチャンスだ、と昨夜から意気込んでいたせいで今朝から胃が痛む。
彼女の席は、僕の斜め2つ前。
後姿でも、僕は彼女を見分けることができるのは、あの美しい髪のせいだろうか。
少しだけ茶色い髪でサラサラストレート。
天使の輪が見える程の手入れされた髪。
まるで雪のような白いきめ細かい肌。
笑うとえくぼができることも、僕は知っている。
外見的な彼女の情報は、僕の見える限り完璧に記憶している。
しかし、彼女の声や彼女の字、彼女の香り・・は僕の想像でしかない。
外見以外で、僕の知る情報は、絵がうまいということだけ。
そして、あだ名が僕と同じ「はる」・・
彼女の情報はそれだけ。