どくんどくん ~SPRING SNOW~
次の日、ユキが学校に来たと知った僕は本当にホッとした。

「風邪引いちゃって・・・げほげほ。ごめんね。メールしたかったんだけどっ・・ハックション・・」

良かった。本当に風邪らしいその声に、僕の不安は少し小さくなりつつあった。


こんなときだけど、初めてのくしゃみに、ラブ指数UP!


「ほんとに心配したんだから~!ケータイも知らないし、どうしたのかと思ったよ。公園で風邪引いちゃった?」 

ユキのおでこに触れる。少し熱があるようだった。

「・・・公園? うふふふ・・もう照れるじゃない。」


・・キスのことを思い出したのか、ユキは照れくさそうな笑顔で僕を見た。

「早く風邪治して、公園行こうな!」


「うん!ハルったらエッチ!」 


公園=キス、って考えたのだろう。僕の彼女は少しエッチなんだ。


「今日は、早く帰ってゆっくりすること!デートは風邪治ってからな。そのかわり、治るまでは僕からおやすみコールしてあげる!どう?」


「ほんとに?うれしい。風邪が治るまでだけなの?」

そんなささやかな甘えが、恋人同士なんだってことを自覚させる。

僕はユキにメールアドレスとケータイ番号を教えた。
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