どくんどくん ~SPRING SNOW~
どくんどくんどくん・・・」


彼女を見た瞬間に感じた胸の奥の切ない痛みとこの変な鼓動。

体中が熱くなる。


「キーンコーンカーンコーン」


チャイムが鳴り、僕は美術室に入ると全神経を彼女を見つけることだけに集中した。



僕のアンテナが素早く反応し、彼女を発見した!!


愛しの「はる」さん。

僕は何度、君を呼んだだろう。何度語りかけただろう。

この1週間、廊下や下駄箱、食堂、いろんな場所で君を探してた。

1週間ぶりに見る彼女は、また僕を刺激するんだ。

4時間目のプールの授業に感謝している僕は、やっぱりまだ子供なのかもしれない。

濡れた髪を、くるくるとねじって頭の上で止めている彼女を、僕は女神様を見るような目で見つめていた。


僕は、神様に誓った。

「神様、僕は恋をしています。生まれて初めての本当の恋です。神様に誓います。僕は、彼女のためならなんでもします。どうか、力をください。」

こんなときだけ神頼みしてる無宗教な僕に、神様が力を与えてくれるとは思えない。

後ろの席の特権で、僕はずっと彼女を見ていた。ただただ見つめていた。
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