どくんどくん ~SPRING SNOW~
もしかしたら、ゆうじは僕に会いたくないと言ったのかも知れないと、僕は考えた。

おばさんが今から説得するのだろうか。

着替えていかせる、というのも引っかかるような気がする。

パジャマなのか?学校は? 一気に頭の中にいろんな想像が浮かんでは消え、また浮かぶ。

家のすぐ近くの公園のベンチに腰かけた。

風が激しくて、とても冷たくて、僕は怖くなった。


ユキの手が恋しい。


今の僕には、ユキが必要なんだ。


いつも、僕を支えてくれるユキの言葉、笑顔、ぬくもり。

不安が僕を弱虫にする。

逃げ出したくなった。

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