どくんどくん ~SPRING SNOW~
この恋は僕にとって、初めて訪れた人生のビッグチャンスなんだ。


僕は、

何がなんでも彼女と恋人として生きていきたいと思ったのだ。


僕にはハッキリ見えたんだ。


僕の隣で並んで歩く春瀬さんの姿が・・・


なぜだかわからないけど、僕は春瀬さんと結ばれる運命を勝手に感じちゃったんだ。




次の週に、名簿が渡されて君のフルネームを知った。

「春瀬ゆき」

なんとなくだけど、君を見た時に「雪のようだ」って感じた。

名前に似合う美しい白い肌。


それから、どんどん君を知っていった。



君の性格もわかってきた。

君は結構おっちょこちょいだと知ったとき、なぜだかとても嬉しかった。

身近に感じることができたからなのかも知れない。

机に置いていた目薬を、消しゴムと間違えて消そうとした。

君は、消しゴムのかすを丸めていた。

そんなことしそうもないのに、顔に似合わないしぐさや行動で僕を驚かす。



君は、友達想いだ。

真剣に絵を描いているのに、話しかけてくる友達に嫌な顔ひとつせず対応していた。
しかも、ちゃんと目を見て話してた。

きっと君は、絵に集中したかったに違いない。

あのきらきらとした目、まっすぐな目にどれだけ多くの人が魅了されているだろう。

僕は誇らしいような、嫉妬のような、さまざまな感情に左右されていた。

こうして、僕の激動の9月が終わろうとしていた。



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