恋愛不器用


校門をでて一歩。

後ろを振り返り、大きくため息をついた。


ほんとわもう限界だった。


何がいやってわけじゃないけど、全てのことを冷めた目で見てしまっていた。
何をするのにもやる気が出ない。
何がいやかわからないから、どうしようもない。
毎日、毎日――

友達に顔に張り付いてる笑顔見せて、真剣なふりして授業聞いて、心から好きでもない人に尽くして――


いつの間にか自分がいなくなってた。



家に帰ってきたって、第一志望の高校落ちてから自分わいないも当然。まだ小学生の妹に毎日、毎日バカみたいに張り付いて勉強を教えてる。


ほんとのあたしの居場所わ、どこにもないのかもしれない。



だからって、何も誇れるものも無い。
勉強も部活も全て中途半端。
中学生まで毎日やってた部活のバレーも、最高順位だってベスト16。
勉強だって、第一志望が落ちて県で上から数えても、下から数えてもおんなじくらいの高校。


それに、大切なものも無い。
宝物なんて、小学校の頃集めてた綺麗な石ころ以外何も無い。


だからあたしわ、石ころ女。



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