暗黒時代
違う道
一輝が学校に登校しなくなり、早くも2度目の春がすぎた。

一輝は、もう中学3年生となり、その出で立ちもかなり様変わりしている。

田舎の町から飛び出し、昼も夜も都会へとくりだしている日々であった。
両親からも教師からも呆れられ、一時的だった友達2人とも音信不通である。
周りの人からみれば、もう立派な不良と化していた。

「佐野さん、ちょっと待って下さい!」

大きな橋の下を歩いていると、ついこの間グループに入った新入りが、一輝に声をかけて来た。
少々息を荒げているのを見ると、随分前から一輝を追っていたと見れる。

「なんだよ、えっと…恭佐」

目付きの鋭い恭佐と呼ばれた男は、口元に笑みを含ませた。
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