暗黒時代
相談室という場所に入ると、少々息が詰まった。
一輝が思い出してみると、確か進路や三者面談、カウンセリングに使うと2人の兄が話していた。
その緊張の余韻が、微かにまだ漂っている、という感じである。

「まぁ、座って」藤原は手で促す「色々話があるんでね」

そこの椅子は、唯一パイブ椅子で、腰をかけるとギイギイと音を立てた。
藤原は一輝の瞳をぎっと見つめ、本当に緊張感が漂って来る。

「今日のテスト、君の学力は、そんなものではないだろう?」

(やっぱ、点数でも悪かったからか…)

藤原に聞こえないように、一輝は小さく溜め息をついた。

「ヤバかった…ですか?」
「数学……いや、算数か?それは、中1程度のもだしたが、お前は満点だった」

そこまで、まだ和やかだった藤原の顔が一変する。

「しかし、他は話にならん」

一輝は少々うなだれる。
それもそうだった。
兄の話を聞かされた時、学力の事も話されていたな、と思い出した。
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