暗黒時代
翌日、学活の時間である。
皆は、ドキドキしながらテストの点数待ちをしていた。
テストの点を見て、
大声で喜ぶ者
嘆く者
安堵する者
挙句自分の点数を暴露する、
といった者までいた。
教室が賑やかになっていく中、一輝は、ぼうっと裏返しにした答案用紙を見ていた。
「カズ、どうだった?」
恩は、恐る恐る聞いてきた。
自分的には大満足、でも先生から見ては最悪な点数。
そんな言葉は、一輝の口からだしたくない。
一輝は、小さく、
「かなり悪い」
と、言わざるを得なかった。
「あー、そっか、でも、まだ大丈夫だって」
聞いてはいけなかったか、と恩は焦って言葉をかけてくれた。
全然嬉しくない、といったふて腐れた顔で、一輝は一つ頷く。
「佐野氏のワリーって、なんだかわかんねーからなぁ」
沙華は、ばっと机の上に置いていた一輝の答案用紙を取って見た。
そして、顔色を変える。
一輝はもはや、昨日の事、先生の言葉が耳に残っていたため、点数を隠す気にもなれず、無気力だ。