恋、時々雨
「よくわかんないんだけど何があったのよ」
飲みかけのオレンジジュースをイッキ飲みして一息。
言いづらい。
まあ、もうある程度は噂で知っているのだろうけど。
「……、鈴木にコクられて、…」
「…で?」
「謝られた」
「何を?」
「よくわかんない、けど振ってしまったようです」
「はあ?」
綾女は困惑の表情を浮かべてあたしを凝視する。
「な、なに?」
「あんた鈴木のこと好きじゃなかったのね…」
哀れだ鈴木、と呟く。
それ、鈴木も似たようなこと言ってたな。
あたしそんなに鈴木のこと好きそうに見えたのかな。
いや、友達としては大好きだけど。
「で?
あんたはどうしたいの?」
「わかんない
…けど寂しい」
クラスに友達ができなくて寂しかった毎日が、鈴木のおかげで楽しくなった。