恋、時々雨
鈴木から放たれた言葉は、思いもよらない、嫌い、の言葉。
「ち、ちがっ」
「ごめんね、なんか気を使わせて。
あ、ここも自由に来たらいいよ」
否定しようとする私の言葉に被せて、鈴木は私を『拒絶』した。
言い返すことは出来なかった。
だって、それがあたしの告白に対する鈴木の『答え』のすべてだったから。
鈴木が好きだと言うあたしを、信用出来なくて、そして嫌い、だと。
「今度こそ、ばいばいなるちゃん」
鈴木はそう言ってあたしの横を通りすぎ、屋上を出ていった。
咄嗟に「鈴木!」と叫んだけれど、彼が振り向くことは、なかった。
伝えたい、伝わらない
(もう一度私の目を見て笑ってよ)