恋、時々雨

相手の人、果奈美さんはひとつ年上で、どこかなるちゃんに似ている気がした。


でも、それはなるちゃんが恋しい俺の錯覚なのかもしれない。



あーもう最悪だ。



なるちゃんより可愛いとは思えないし、なるちゃんとだったら絶えず話していられるのに、果奈美さんには何を話せばいいのかわからない。





結局なるちゃんしか興味のない自分を思い知らされる。



こんな風になりたいわけじゃなかった。



なるちゃんが俺をそういう対象として見ていなかったことはわかっていたから、最後に告白して終わりにしようと思ったのに。



自信があったとか、そんなのは、まったくの嘘。意味不明な見栄だった。



それなのに、あんな風に俺の心を乱すなんてなるちゃんはどこまでも俺を困らせるのがうまい。