【完】最期の嘘
必死に抵抗する汐。



そんな汐の身体の上で、優太は突然ぴたり、と動きを止めた。



「そんなに嫌…?俺ら、こういう関係、でしょ?」



優太は眼光をぎらりと光らせ、舌なめずりをした。



そんな優太に、汐は血の気が引き恐怖心から震えが止まらない。



こんなの…優太さんじゃない!



「…俺の要求が呑めないなら、俺らの関係は終りだね。…汐ちゃんさ、まさか、俺が本気で君を好きだって思ってたの?」



優太は汐に冷たく言い放つと、汐の身体からゆっくりと降りた。



そして、古い金属の玄関を乱暴に開き、汐の前から姿を消した。
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