【完】最期の嘘
その激しいキスを続けながら、礼治は汐を優しくフローリングに寝かせる。



無口な礼治は、汐に愛を囁くでもない。



静かに、ただ静かに静かに汐に甘い快楽を与える。



「………ダメぇ!…あっ。」



「ダメ、なの?」



汐が甲高い声を上げる度、表面には出ない礼治のボルテージが上がる。



激しさを増す礼治の動きは、唇に噛み付いていた自分のそれを首筋にすうっと移動させる。



移動させた先、汐の白い首筋には既に他の誰かが咲かせた朱い華が咲いていた。



それが優太が無理矢理付けたモノだと気付き、礼治はカッとなりそこに上書きするように吸い付いた。
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