【完】最期の嘘
第六話『ヌケガラの身体』
代官山、某喫茶店にて。
「へええー!汐ちゃん、ね。」
そこには、サラサラの、太陽の光みたいな色の金髪の女性が座っていた。
向かい側には、その女性に見られておどおどする汐。更に汐の隣には礼治。
暁がオフな礼治と、単位の状況により大学には昼に出る汐は、暁のメンバーである美恵と会っていた。
あの夜の後、礼治と付き合うことになった汐。
そんな汐を、礼治は美恵に紹介しているのだ。
嬉しそうな礼治に比べ、汐は笑顔がぎこちない。
…この二人、なんか訳あり?
美恵は、女の勘で瞬時にそう察していた。