【完】最期の嘘
それから一週間はメジャーデビューのことや他の仕事で、忙しくしていた暁メンバー。
本当に一週間ぶりに、礼治は汐に電話をする。
『−…お客様がおかけになった電話番号は、現在使われておりません……。』
しかし、無情にも鳴り響く機械的なアナウンス。
礼治は血の気が引いて、急いで車まで走った。
「なんだ?礼治が走るのめっちゃくちゃ久しぶりに見た。」
そんな礼治の姿に驚くハイジ。
隣の美恵は、自分と汐だけが知るあの夜のことを思い出し、ズキンと胸を痛ませた。