【完】最期の嘘
外に出るとシュガビの他の二人はもう先に出ていた。



「打ち上げは?」



「悪い。明日にしてくんない?…俺、行かなきゃ。」



優太が順平に答えると、篥はふっくらとしたその唇の端をあげ、不敵に笑う。



「ほらっ!早く行って来い!そんでもって素直になれ!」



身体に合わないその大きな篥の掌が、優太の背中を押す。



誰に言ったでもないが、優太の気持ちなど二人にはつつぬけだ。



「さんきゅ。」



優太は短くお礼を言うと、長い脚で走って行った。
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