【完】最期の嘘
汐はそんな状況に、嬉しい自分と困惑する自分がいた。



何が起きているの?



何故優太さんがいるの?



何故優太さんは私にキスをして抱きしめてくれたの?



考えても考えても、答えは見えなくて、結果は目の前に優太が現れて、汐を抱きしめているということである。



「優太さん…苦しいよぉ。」



あまりにも強く抱きしめられているものだから、汐は息苦しくて小さく訴えた。



「あ、ゴメン。」



そんな汐の身体を、優太は名残惜しそうに離した。
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