【完】最期の嘘
汐は礼治の車に乗り、家までの住所を告げる。



礼治はそれをカーナビに入れ、エンジンをかけた。



最近なんだか私の周りに芸能人が溢れてるよ〜…。



汐は隣の、独特な雰囲気を醸し出す礼治に緊張していた。



「しー、ユータと同じボロマンション?女の子なのに。」



「はい。大学生なもので、贅沢な生活はできません。」



寧ろ、優太がボロマンションに住んでいる方がおかしいのではないかと思いながら汐が言う。



礼治はやはりほわーんとした笑みというには無表情な顔で「そう」と相槌を打った。
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