抱かせろ!
ルームシェア
「…はぁ…ルームシェアかぁ…。知らない人ばっかりだよなー…」
彼女は大きい荷物を抱え、目の前にある大きな家を見上げる。
重苦しいため息をはいて重たい足を動かす。
ピーンポーン
……………
よし、もう一回押そう。
ピーンポーン
………………
…いないのね。
…いぃなぁいぃのぉねぇええ!?
…てっきり
「はぁーいっ!いらっしゃぁいっ」
とお出迎えでもあるかと期待していたのだが、呆気なく崩れ落ちた。
澄み切る青空の下で、彼女はあらかじめ持っていた鍵であけ、家へと一歩入って行った。