and I love you
俺は、誰にも触られないように、全部お湯を流してから風呂から出た。




リビングに行くと、考えておいた口実を並べる。




「なんか、ゴミメッチャ浮いてたから、お湯流しといた。」




あ、ありがとう、と母親は言う。



俺がどれだけ信用されているか実感する。




「なによ!!私が汚いみたいな言い方!!」




美香はそういって食事を続ける。





口に運ばれていく食べ物たちが羨ましい。




その唇に触れたい。


その体に触れたい。



美香以外の女と体を重ねているときいつも思う。





やさしい香りに包まれて、気が遠くなるまで抱きしめたい。
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